あだち眼科のブログ

京都府八幡市で唯一近視治療(オルソケラトロジー)、先進医療(多焦点眼内レンズ)を行う眼科施設です。

2018年03月

緑内障を予防できる飲み物は?

米国眼科学会(AAO)のデータによると、緑内障のリスク因子は以下に挙げられます。

1)40歳以上
2)アフリカ/アジア系/ヒスパニック系のルーツがある
3)眼科検診で眼圧上昇を指摘された経験がある
4)近視ないし遠視である
5)眼外傷、あるいは眼球損傷の既往がある
6)角膜中心部が菲薄化している

緑内障の早期発見の重要性については以前にもお話させていただきましたが、今日は予防のお話です。

香港の眼科医らの研究によると、緑茶のカテキンが緑内障予防に効果的ということです。
これはHong Kong Eye Hospital, Kowloonとthe Prince of Wales Hospital, Shatinの医師らによる研究でJournal of Agricultural and Food Chemistryに掲載されたものです。この論文は経口摂取されたカテキンが目の組織に届いた事が証明されたというものです。つまり、カテキンは抗酸化作用を持つ物質であるため、目への酸化ストレスへ作用するかもしれないという研究研究結果を示すものです。

もともと緑茶のカテキンが身体に良いことは知られていますが緑内障にもその効果があるとは朗報ですね。





目の難病にiPS創薬候補

遺伝性の目の病気「クリスタリン網膜症」の治療薬候補をiPS細胞を用いて見つけられたとの記事を見つけました。

これは京都大学の池田華子准教授らの研究グループによって発表されました。
クリスタリン網膜症とは遺伝性の難病で徐々に視野が狭くなり失明に至り、根本的な治療法は無い病気です。

池田准教授のグループは、クリスタリン網膜症の患者の皮膚の細胞を採取し、iPS細胞を用い網膜色素上皮細胞を作製し病気の状態を再現し分析しました。その結果この病気の仕組みを解明したということです。
国内患者は推定1500人〜2000人と言われ、患者数も少ない事から製薬会社が薬の開発に乗り出さなかった難病でありました。この発見が今後の治療に役立つものとなることを期待します。

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ライトアップ in グリーン運動って知ってますか?

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写真をご覧ください。緑色のライトアップです。

これは、日本緑内障学会が世界緑内障週刊の啓発活動の一環として展開しているライトアップ in グリーン運動です(18年は3月11日〜17日)。
緑内障についてよく知らないという人も多く、啓蒙活動が目的で行われているものです。

目の病気でよく間違えられるのが白内障と緑内障です。名前はよく似ていますがこの二つは全く違うという事を覚えておいてください。決定的に違うことは、白内障は手術をすれば視力は元に戻りますが、緑内障は欠損した視野は元に戻ることはありません。緑内障の恐ろしいことは、自覚症状がないままゆっくり進行し、おかしいと思った時には視神経の半分以上が無くなってしまうということです。40歳以上では20人に1人の病気と言われ、失明原因の第1位です。完治が期待できない緑内障の対策として、自覚症状が出てしまう前の早期発見、早期治療が非常に重要であります。

私は目は悪くないから眼科を受診した事がないという方も、異常がなくても40歳を過ぎたら1年に一回検診を受けてみられる事をお勧めします。人間ドックで行われる眼底検査は緑内障をチェックするためのものですが、眼底検査だけでは見つからないケースもあります。眼科ではOCT検査(眼底3次元画像解析)、視野検査を行い、より早期で確実な診断が可能となっております。

あなたの視野は運転大丈夫ですか?

視力については関心が高く、気にされている方は多いと思いますが、今回は視野のお話です。
視野とは目を動かさないで見える範囲のことです。仮に異常があっても気づかない事が多く、気がついた時には既に進行している状態になっている事も少なくありません。加齢とともに増加し、早期発見をする事が重要になってきます。

視野が損なわれる病気で代表的なものは以下になります。
◯加齢黄斑変性
◯白内障
◯網膜色素変性
◯緑内障

この中でも緑内障は失明原因のトップと言われています。初期の段階では自覚症状がなく、一度視野が欠けてしまうと元どおりには戻りません。しかし、緑内障とわかった時点で点眼薬などの治療を行えば進行を遅らせる事が可能です。中高年から罹患率が増えることから40歳を過ぎたら一年に一度は眼科での検診を受けることをおすすめします。
このことはJAFの定期紙JAFMateでも取り上げられており、視野に異常がある状態で車を運転することは非常に危険であり、事故を防ぐためにも早期に病気に気づく事が重要であると述べられております。

当院では眼底3次元画像解析装置(OCT)、自動視野計を備えており、その場で検査結果をお伝えすることが可能です。今まで視力検査で問題がなく目には自信があるという方も40歳過ぎたら健康診断として一度受診されてみてもよいでしょう。

白内障手術の術後成績向上計画

最近の白内障手術は、白内障に罹患した中高齢者が「白内障+屈折矯正の同時手術」を受けることができる手術となっております。(屈折矯正とは、近視・遠視・乱視などの屈折異常を視力矯正することで屈折のズレを治し良好な視力を回復することです。代表的なものとして、眼鏡、コンタクトレンズが挙げられます)

白内障手術は濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入することにより、クリアな視界が望める事に加え、眼鏡、コンタクトレンズのように取り外す事なく裸眼で視力を回復できる、まさに一石二鳥得られる手術と言えるのです。さらに、近年においてはその屈折矯正精度は飛躍的に向上し、極めてより高い満足度が得られるものとなっております。

その屈折矯正精度を上げる手法として、術後の患者様の視力の見え方の満足度を左右する非常に重要な術前検査に、IO L度数計算があります。
IO L度数計算には、以下の三つの手段があります。
・角膜形状測定
・眼軸長の長さの測定(眼軸長とは眼球の長さのことです)
・計算式

このうち、角膜形状と眼軸長を図るために当院ではZEISS社の一番精度の高いとされるIOL master 700を導入しております。
計算式に関しては、第41回日本眼科手術学会学術総会で、東京女子医科大学の須藤史子先生から屈折矯正精度向上に最も重要であるI OL度数計算式であるBarrett Universal II式が紹介されておりました。当院ではそういった最新の計算式の導入についても検討していく考えです。

また、当院では「近視・遠視・乱視」以外にも「老眼」も矯正することが出来る多焦点レンズの導入も積極的に行なっており、あらゆる視力に対応した屈折矯正が出来る白内障手術を行っております。今後は術後の満足度に焦点を当てることで、よりご満足頂ける治療が出来るよう、積極的に取り組んで行こうと思っております。
ギャラリー
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