6月にこのブログでお伝えしました国から承認されていたiPS細胞からの「視細胞」への移植手術が神戸市立神戸アイセンター病院で1人の患者で行われたことが発表されました。この患者は、国内4万人とも言われ失明のおそれのある網膜色素変性症で、今のところ確率した治療法がないとされておりました。今回は安全性の確認が主な目的で、移植した網膜組織が拒絶されないか、腫瘍ができないかといったことを1年かけて評価します。また、患者の視野などの機能も評価し、有効な治療法となることを目指します。
眼科一般
失明の恐れのある網膜の病気、網膜色素変性は今まで有効な治療法がないとされてきましたが、このたび国から臨床研究が認められました。神戸市立神戸アイセンター病院が京都大iPS細胞研究所が備蓄しているiPS細胞を使って移植手術し、安全性を評価するというものです。動物実験ではうまくいっておりヒトでの有効性が課題とされています。iPS細胞をもとにした再生医療では、これまで目の組織をはじめ、神経、心筋、血小板などが作られ臨床研究や治験として患者さんへの移植が進められてきました。今回の研究で網膜色素変性の患者さんへの光明が差すことを期待しています。
アレルギー性結膜炎とその周辺疾患についての学会に参加しました。
先生は小麦アレルギーを引き起こした茶のしずく石鹸の事例を契機に花粉・食物アレルギー症候群の研究をされてきました。シラカンバ、ハンノキ→リンゴ、桃アレルギー、イネ科→小麦アレルギー、スギ→トマトアレルギー、など花粉症患者が野菜や果物を生で食べた後にアレルギーを引き起こす症状を花粉・食物アレルギー症候群と呼びます。これは花粉症と似た物質が野菜・果物に含まれているため起こると言われています。(加熱すると症状が出ないということも特徴です。)
まぶたが赤く腫れた患者さんが眼科に来られることがあります。食物アレルギーは見逃しがちな眼科の皮膚疾患として注目すべきです。
またそれに加えて、アトピー性皮膚炎についてのマネージメント方法についても触れられ、大いに役立つ知識を得ることが出来ました。